絶たれた望み



 ドアの向こう

 
 あの人の足音が聞こえる


 「お前に逃げ場は無いんだよ」

 
 冷たいコンクリートの壁が言う


 「わかっているよ  わかっているよ」

  
 悲しげに何度も何度も呟く貴方


 「僕はあの人のことが嫌いじゃないんだ」
 

 寂しげに呟く貴方を コンクリートは慰める


 「僕はあの人が大好きだったんだよ

  愛していたいんだ

  愛していたいんだ・・・」

 
 血を吐くように繰り返す貴方

 
 「愛していたいんだ 愛していたいんだ・・・」

 
 コンクリートはもう何も言わない

 コンクリートはもう何も言えない


 やがてドアは開かれて


 貴方は今日も





 絶望と抱擁させられるー。